ダイビングインストラクターは、好きなだけでは続けられない仕事です。私は13年続けましたが、辞めていく人も何人も見てきました。
- 好きな仕事だけど体力が限界
- 休みが取れずに家族との時間がない
- このまま続けていいのか分からない
- 海の仕事に憧れるが実態を知りたい

好きな仕事なら、多少きつくても続けられるものですか。

13年続けました。朝は早く、帰りは遅い。それでも嫌ではなかった理由があります。
私は22歳から35歳までスキューバダイビングのインストラクターとして働き、今は土木潜水士をしています。この記事では、1日の流れ、休みの実態、体に出た不調、一番きつかったこと、そしてそれでも嫌ではなかった理由を、全部正直に書きます。
朝が早く帰りが遅い1日

ツアーがある日は、朝が早く、帰りも遅くなります。海に行って潜って帰る、という単純な仕事ではありません。移動、準備、片付けと、潜っていない時間のほうがむしろ長いくらいです。ここでは、朝から夜までの流れを順に書きます。なお、これは私が働いていた当時の話で、今は働き方の見直しが進んでいる店も増えています。

出発は夜明け前
家を出るのはまだ暗いうちです。お客様を乗せて移動するので、集合時間よりかなり早く動き始めます。
器材の積み込み、点検、当日の海の状況の確認。潜る前にやることが山ほどあります。
解散は夜8時から10時
ツアーの解散は、夜8時から10時のあいだでした。帰りの渋滞によって前後します。
ここで終わりではありません。お客様を送り届けてからが、まだ残っています。
片付けを終えて1日が終わる
解散後に器材を片付けるので、会社に戻るのは夜遅くになります。
朝早く出て、夜に戻る。これが特別な日ではなく、ツアーがあれば普通の日でした。長い1日が、シーズン中は何日も続きます。
休みは週1日だけ

労働時間と同じくらい効いてくるのが、休みの少なさです。もともと週1日しかなく、しかもその1日も繁忙期には消えていきました。好きな仕事でも、休みがないと体は正直に反応します。ここでは、休みの実態と、なぜ年間を通して休めなかったのかを書きます。
基本は週1日
休みは週に1日でした。世の中の週休2日とは、年間で50日以上の差がつきます。
その1日も、疲れを取るだけで終わることが多かったです。自分のために使う時間は、ほとんどありませんでした。
夏季は休みなし
夏はレジャーダイビングの繁忙期なので、休みはありませんでした。
一番忙しい季節に、一番休めない。どの接客業も同じかもしれませんが、体力を使う仕事だとこれが効いてきます。
冬も結局は休みなし
意外に思われるかもしれませんが、冬も休めませんでした。最終的には冬季に潜水作業の手伝いへ行くようになったからです。
夏はレジャー、冬は潜水作業。どちらも繁忙期なので、結果的に1年を通して休みがない状態になりました。
夏と冬で変わる繁忙期

ダイビングは夏の仕事だと思われがちですが、私の場合は1年中仕事がありました。夏と冬で、仕事の中身が入れ替わるからです。これは収入が安定するという意味では良いことでしたが、休めないという意味では厳しい面もありました。ここでは、その仕組みを書きます。

夏はレジャーの繁忙期
夏は、レジャーダイビングの繁忙期です。お客様が集中するので、ツアーが連日入ります。
長い1日が続くのは、主にこの時期でした。体力的には一番厳しい季節です。
冬は潜水作業の繁忙期
一方、冬になると潜水作業の手伝いが増えました。レジャーが落ち着くかわりに、こちらが忙しくなります。
この経験が、のちに土木潜水士へ転職する土台になりました。くわしくはダイビングインストラクターの給料【年収300万】13年の実額公開に書いています。
1年中仕事に困らなかった
結果として、1年を通して仕事には困りませんでした。季節によって暇になることがなかったのです。
ただし給料は固定給だったので、忙しさと収入は連動しません。働く量が増えても、月にもらう額は同じでした。
体に出た不調

この働き方を続けていると、体のどこかに必ず出てきます。私の場合は耳と鼻でした。潜る仕事である以上、ここは避けて通れない部分だと思います。ここでは、実際にどんな症状が出たのかを書きます。これから目指す人には、知っておいてほしい現実です。
中耳炎を繰り返した
私がよく調子を崩したのは、耳です。中耳炎になりました。
潜水は耳に圧力がかかる仕事です。疲れがたまっているときほど、耳抜きがうまくいかなくなります。
副鼻腔炎にもなった
鼻のほうも、副鼻腔炎になりました。耳と鼻はつながっているので、片方が悪いともう片方にも出ます。
一度なると、潜るたびにつらくなります。仕事に直結する部位だけに、やっかいでした。
体が資本でも守りきれない
私は手取り20万円の時代も、食費だけは削りませんでした。体が資本の仕事だと分かっていたからです。
それでも、休みなく働けば体は壊れます。食事だけでは守りきれない部分がありました。その話は手取り20万円で家族4人【貯金ゼロ】何もしなかった13年の話に書いています。
一番きつかった両立

13年で一番きつかったのは、レジャーダイビングと潜水作業の両立でした。どちらも中途半端にできない仕事なので、移動と体力の両方が削られます。ここでは、具体的にどんな日程だったのかをまとめました。そして、それでも嫌ではなかったという正直な感覚についても触れます。
レジャーと潜水作業をまたぐ
きつかったのは、レジャーと潜水作業を行き来する日々です。種類の違う緊張が交互に来ます。
レジャーはお客様を楽しませる仕事、潜水作業は工事をする仕事。求められるものがまったく違いました。
ツアー終わりに四国や九州へ
一番こたえたのは移動です。レジャーダイビングが終わったあと、そのまま四国や九州まで車で移動することもありました。
朝から晩まで動いたあとに、さらに長距離を走る。これが続くと、さすがに体が持ちません。
きつかったが嫌ではなかった
ただ、正直に書くときつかったけれど、嫌ではありませんでした。不思議に思われるかもしれません。
この感覚が、13年続けられた理由そのものです。次の章で、その中身を書きます。
それでも嫌ではなかった理由

ここがこの記事で一番伝えたい部分です。長い勤務、休みなし、体も壊した。それでも嫌ではなかったのは、お金では買えないものがあったからでした。当時の私が給料よりやりがいを重視していたのは、こういう理由です。ここでは、その中身を具体的に書きます。
笑顔で帰っていく瞬間
一番の理由は、お客様が笑顔で帰っていく瞬間でした。目の前で喜んでくれるのが分かります。
初めて海に入った人が、上がってきて興奮しながら話してくれる。あの時間のために働いていたようなところがあります。
次の予定を組んでくれるとき
もうひとつは、ツアー中に次の予定を組んでくれるときです。今日が終わらないうちに「次はいつですか」と聞かれる。
これ以上の評価はありません。自分のやったことが、その場で認められた証拠だからです。
指名してもらえるということ
そして、自分のツアーガイドを指名してもらえたとき。これが一番うれしい瞬間でした。
対面で喜んでもらえることは、お金には変えられない魅力です。実は今でもその魅力に取りつかれていて、定期的にお客様と潜りに行っています。仕事は変わりましたが、ここだけは変わりませんでした。
きつさについてよくある質問

ダイビングインストラクターの労働実態について、よく聞かれることに答えます。私が13年いた1つのショップでの経験なので、店によって事情は変わります。ひとつの例として読んでください。
労働時間はどれくらいか
私の場合、ツアーがある日は朝が早く帰りも遅いという働き方でした。海までの距離や渋滞で大きく変わります。
ただしこれは当時の話で、今は働き方の見直しが進んでいる店もあります。どこも同じとは限らないので、入る前に1日の流れを聞いてください。
休みは取れるのか
私は週1日、繁忙期はゼロでした。夏も冬も忙しかったためです。
ここは店の規模や仕事の種類で大きく変わります。求人票の「週休2日」が実態と合っているかは、確認したほうがいいでしょう。
体を壊さないか
私は中耳炎と副鼻腔炎になりました。潜る仕事である以上、耳と鼻の負担は避けられません。
体調が悪いときに無理に潜らないことが大事ですが、人が足りない現場ではそれが難しいこともあります。
続けられる人はどんな人か
きついことをきついと認めたうえで、それでもやりたいと思える人だと思います。
「楽しそう」だけで入ると、現実とのギャップで折れます。向き不向きはダイビングインストラクターになるには【3年70万円】費用を公開にも書きました。
辞めたくなったらどうするか
まず、辞めることと嫌いになることは別だと考えてみてください。私も好きなまま辞めました。
私の場合は家族のために転職を選び、今は土木潜水士をしています。潜る経験は、別の形でも活かせます。
まとめ

- ツアーの日は朝が早く帰りも遅い
- 休みは週1日、夏も冬も繁忙期で実質なし
- 中耳炎と副鼻腔炎になった
- 一番きつかったのはレジャーと潜水作業の両立
- それでも嫌ではなかった理由はお客様の笑顔
ダイビングインストラクターの仕事は、はっきり言って楽ではありません。朝は早く帰りは遅く、休みは週1日、体にも出ます。きれいごとを書くつもりはありません。
ただ、私はきつかったけれど、嫌ではありませんでした。目の前のお客様が喜んでくれることは、お金には変えられません。今でも定期的に潜りに行っているのが、その証拠だと思っています。
- 気になる店の1日の流れを聞いてみる
- 繁忙期の休みがどうなるか確認する
- 自分が何にやりがいを感じるか書き出す
まずは1つ目だけで十分です。1日の流れを聞けば、その店で働く自分が想像できます。入ってから知るより、何倍もいいはずです。



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