朝5時に起きて、17時には帰路についています。潜水士の一日は、思っているより早く終わります。
- 5時 起床/6時 出発
- 7時 会社に到着
- 8時30分ごろ 1本目の潜水
- 午前と午後で3〜4回潜る
- 16時 現場終了/17時 帰路

潜水士って、一日中ずっと潜っているイメージなんですが…。

全然違いますよ。潜っている時間より、準備と段取りのほうが長いです。
私は現役の土木潜水士です。この記事では、水中で溶接をした一日を、朝から順にそのまま書きます。解説ではなく記録です。
朝5時 家を出るまで

私の職場は常駐の潜水士なので、基本的に出張がありません。毎日同じように朝から出ていきます。ただし会社までは約1時間かかるので、朝は早いです。
5時に起きて6時に出る
起きるのは朝5時です。準備をして、6時に家を出ます。
早起きそのものは慣れました。それより、前の晩に何時に寝るかのほうが大事になります。
会社まで約1時間
会社まではおよそ1時間かかります。7時ごろに到着する計算です。
通勤時間が長いぶん、朝の支度は決まった形になりました。考えずに動けるようにしておくと、寝起きでも間に合います。
出張のない常駐の潜水士
私の会社は出張がありません。潜水会社の中では、これはありがたい部類です。
毎日家に帰れます。仕事の中身は土木潜水士の年収はいくら?【現役が手取り公開】仕事内容も解説にも書きました。
7時 潜る前の準備

会社に着いても、すぐ潜るわけではありません。潜る前にやることのほうが多いくらいです。就労時間は8時からですが、潜水作業の日は動き出しが少し遅くなります。
作業開始は8時30分ごろ
就労時間は8時からです。ただし潜水作業がある日は、元請けさんの都合で8時30分から9時ごろに始まることが多くなります。
現場は自分たちだけで動いているわけではありません。船や他の業者との兼ね合いで、時間は前後します。
器材の動作チェックは必ずやる
器材の点検は必須です。動作チェックまで含めて、必ずやります。
ここを省くと、水の中で困るのは自分です。溶接の日ならケーブルも見ます。感電の話は水中溶接の仕事とは【現役潜水士が解説】資格・危険・収入を公開に書きました。
KYと段取りの打ち合わせ
元請けさんが来たら、KYと今日の段取りの打ち合わせです。危険予知と、作業の順番を確認します。
ここが決まってから作業場所に移動します。段取りが決まらないと、潜っても手が止まるだけでした。
午前 1本目に潜る

準備が終わって、ようやく水に入ります。潜ってすぐ溶接を始めるわけではありません。やることが順番に決まっています。
まず場所の確認
水に入って最初にやるのが場所の確認です。どこを直すのかを、自分の目と手で確かめます。
図面で見ていても、現物は違って見えることがあります。ここを間違えると、あとの作業が全部無駄になりました。
ケレン作業は必須
次にやるのがケレン作業です。溶接をするうえで、これは必ず要ります。
表面の汚れや錆を落とす作業になります。省くことはできません。
アースが取れたら溶接開始
アースが取れれば、ようやく溶接を始められます。ここまでが前段階です。
潜ってから溶接に入るまでに、これだけの手順があります。水の中にいる時間の全部が溶接というわけではありません。
水の中でのやり取り

水中にいるあいだ、一人きりになるわけではありません。船の上とは常につながっています。やり取りの方法と、1日に潜る回数を書きます。
有線通話機でつながっている
水中では水中有線通話機を使っています。マイクで話しかける形です。
声が届くというだけで、水の中の心細さはかなり違います。何かあればすぐ伝えられる状態を保ちます。
1日に3〜4回潜る
潜る回数は1日に3〜4回が多いです。朝に2回、昼休憩を挟んで午後に2回という形になります。
ただしこれは、水深がそこまで深くない場合でした。

深い日は午前と午後に1回ずつ
水深が深い日は違います。身体の負担が大きく潜水病のリスクもあるので、午前1回と午後1回だけのこともあります。
その日の水深と状況で変わる、と思ってもらえればいいでしょう。決まった形があるわけではありません。
水中で起きるトラブル

一日の中で一番しんどいのは、トラブルが起きたときです。機材に不具合が出たら、一度水から上がらないと危険になります。実際にあったことを書きます。
コンプレッサーが止まる
私はタンクではなく、コンプレッサーにホースをつないで潜っています。そのコンプレッサーが途中で止まったことがありました。
空気を送ってもらって潜る方式です。止まれば、当然そのままではいられません。
溶接ケーブルが破断する
溶接ケーブルが岸壁にこすれて破断したこともあります。水中で電気を扱っているので、これは放置できません。
岸壁は見た目以上にごつごつしています。ケーブルは思っているより簡単に傷みました。
急に船が着くことになる
機材以外もあります。岸壁に急に船が着くことになり、緊急で上がったこともありました。
港は自分たちの都合だけで動いていません。予定が急に変わるのは、よくあることです。
16時 現場が終わる

作業が終わるのは16時ごろです。水から上がってからも、やることが残っています。
上がったら休憩か片付け
水から上がったあと、合間なら休憩をとります。その日の最後であれば片付けです。
潜ったあとは体が冷えています。次に潜るまでに、ここで体を戻しておきます。
元請けへの報告と明日の提案
片付けが終わったら、元請けさんに業務の報告と明日の提案をします。今日どこまで進んだかと、次に何をするかです。
ここで名前を覚えてもらえるようになったのは、資格を取ってからでした。
17時には帰路につく
現場が終わるのが16時ごろで、17時には帰路についています。会社から家まで1時間なので、夜は家にいられます。
拘束時間の長かったインストラクター時代とは、ここが一番変わった部分でした。
心に余裕を持って潜る

最後に、一番伝えたいことを書きます。水中は、ものが壊れてもすぐに取りに行ける場所ではありません。だから持っておくものがあります。
すぐには取りに行けない
水中は特殊な環境です。何かが壊れても、その場ですぐ代わりを持ってこられません。
最悪の場合、その日の現場ができなくなります。陸上なら取りに戻れば済む話が、ここでは済みません。
100%の力では作業しない
だから水中で100%の力を出し切るような作業の仕方はしません。全力でやっていると、何か起きたときに対応できなくなるからです。
余力を残しておくということです。これは経験してみないと分からない部分でした。
備えと知識が要る
そのために必要なのが、事前の準備と、何かあっても対応できる心構えと知識です。道具の点検も、段取りの確認も、すべてここにつながっています。
常に自分の心に余裕を持って作業する。これが、水の中で働くうえで一番大事にしていることでした。


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