潜水士免許は、受験資格がなく、実技試験もない学科だけの国家資格です。「潜水士免許 取り方」で検索したあなたは、何から始めればいいのか、仕事をしながら受かるのか、そこが知りたいのだと思います。
- 潜水士になるには、まず何をすればいいのか
- ダイビング経験がなくても受験できるのか
- 仕事をしながら、どれくらい勉強すれば受かるのか
- 費用はいくらかかるのか

国家資格って聞くと、自分には無理そうで…。

潜水士免許は、国家資格の中でも非常に取りやすい免許です。私は20歳のとき、テキスト1冊・2週間で一発合格しました。
私は現役の土木潜水士です。この記事では、潜水士免許の取得の流れ、試験の中身、難易度と合格率、私が実際にやった勉強法、費用、そして免許を取ったあとのことまで、公式情報と自分の経験だけで書きます。
潜水士免許の基本と取得の流れ

潜水士免許は、仕事として水の中に潜るために必要な国家資格です。土木潜水、海洋調査、水中の点検や撮影、漁業関係など、業務として潜水するなら必ず必要になります。レジャーで使うダイビングの資格とは役割が違うので、まずそこを整理してから、申し込みから免許証が届くまでの流れを説明します。ここを読めば、全体像がつかめるはずです。
潜水士免許とはどんな資格か
潜水士免許は、労働安全衛生法にもとづく国家資格です。潜水作業を仕事として行う人は、この免許を持っていなければなりません。
私の会社では浚渫(しゅんせつ)という港や川の底の土砂を取り除く工事がメインですが、岸壁の補修や水中調査などで潜る仕事もあります。そのすべてで、この免許が前提になっています。
レジャーのダイビング資格との違い
ダイビングショップで取るオープンウォーターなどの資格は、レジャーダイビングのための民間資格です。一方、潜水士免許は仕事で潜るための国家資格で、役割がまったく違います。
| オープンウォーター | 潜水士免許 | |
|---|---|---|
| 種類 | 民間資格 | 国家資格 |
| 目的 | レジャーダイビング | 仕事としての潜水作業 |
| 試験 | 学科+実技(海洋実習) | 学科のみ |
| 発行 | ダイビング団体 | 労働局 |
私は潜水士免許を取る前にオープンウォーターを持っていました。それが試験の理解を助けたのは事実ですが、受験の条件ではありません。
申し込みから免許証までの7ステップ
流れは、試験に合格したあとに「免許申請」が必要という点だけ押さえておけば迷いません。
- 試験日と試験会場を確認する
- オンラインまたは書面で受験を申し込む
- テキストで勉強する
- 学科試験を受験する
- 合格通知を受け取る
- 労働局へ免許申請をする
- 潜水士免許証を受け取る

合格しただけでは免許証は届きません。合格後に申請して、はじめて免許証が交付されます。
潜水士試験の受験資格と科目

潜水士試験には、学歴や実務経験などの受験資格が一切ありません。本人確認書類があれば、潜水経験がない人でも受験できます。試験は学科のみで、4科目・合計40問です。ここでは、誰が受けられるのか、何が出るのか、どうすれば合格なのかを順に説明します。「自分は受けられるのか」という不安は、ここで消えるはずです。
受験資格は不要
受験資格はありません。ダイビングの資格も、潜水経験も必要ありません。次のような人でも、そのまま受験できます。
- 高校生や大学生
- 建設業で働いた経験がない人
- ダイビング未経験者
- 転職を考えている社会人
ただし、免許証の交付には年齢の条件があり、18歳未満には交付されません。若い人は、申請時点の条件を公式サイトで確認してください。
実技なしの4科目40問
潜水士試験は、潜水や水泳の実技がない、学科だけの試験です。4科目・合計40問・100点満点で、試験時間は4時間です。
| 試験科目 | 出題数 | 配点 |
|---|---|---|
| 潜水業務 | 10問 | 30点 |
| 送気、潜降及び浮上 | 10問 | 25点 |
| 高気圧障害 | 10問 | 25点 |
| 関係法令 | 10問 | 20点 |

潜水業務では作業の基礎知識と危険への対応、送気・潜降・浮上では潜水器の構造や空気の送り方、高気圧障害では減圧症などの症状と予防、関係法令では労働安全衛生法などの決まりが問われます。
科目ごとの合格基準
合格には、各科目40%以上、かつ合計60%以上の両方が必要です。合計が60%を超えていても、1科目でも40%を下回ると不合格になります。
つまり、得意科目で稼ぐ作戦は通用しません。特に関係法令は、ダイビング経験者でも初めて学ぶ内容ばかりでした。私もオープンウォーターの知識は役立ちましたが、法令だけは別に勉強しています。
潜水士試験の難易度と合格率

潜水士試験は、国家資格の中でも非常に取得しやすい試験です。安全衛生技術試験協会の統計によると、令和7年度は受験者6,891人、合格者5,126人、合格率74.4%でした。4人に3人が受かる計算になります。ただし、勉強なしで受かる試験ではないので、何が取りやすくて、どこに落とし穴があるのかを、実際に受けた立場から書きます。
合格率74.4%の意味

合格率74.4%は、国家資格としてはかなり高い数字です。私の実感でも、潜水士免許は国家資格の中で最も取りやすい部類に入ります。
しかもこの数字は、たまたま高かった年ではありません。近年の合格率を並べると、次のようになります。
| 年度 | 合格率 |
|---|---|
| 令和5年度 | 75.7% |
| 令和6年度 | 72.7% |
| 令和7年度 | 74.4% |
※令和7年度は安全衛生技術試験協会の統計で確認した数字です。令和5・6年度は公開されている解説情報によります。
理由は、実技がないこと、受験資格がないこと、出題範囲が4科目に絞られていることの3つです。私が20歳で一発合格できたのも、この3つがそろっていたからだと思っています。
取りやすい理由
取りやすい一番の理由は、出題のパターンが決まっていることです。試験では似た内容が繰り返し問われるため、テキストを一度理解すれば、本番で見たことのない問題はほとんど出ません。
私はテキスト1冊だけで合格しました。問題集も講習も使っていません。これは「テキストをきちんと読めば足りる試験」だという意味でもあります。
油断できないポイント
とはいえ、計算問題と関係法令は油断できません。送気量や圧力の計算、減圧症などの高気圧障害、法令の細かい数字は、初めて学ぶ人には聞き慣れない言葉が多い分野です。
「取りやすい」は「勉強しなくていい」ではありません。テキストの計算例と法令の数字だけは、意識して繰り返してください。
私が2週間で合格した勉強法

私は20歳のとき、テキスト1冊・1日4〜5時間・約2週間で一発合格しました。当時すでにオープンウォーターの資格があり、潜水の基礎知識があったことが短期間で済んだ理由です。ここでは、使った教材、実際のスケジュール、そしてダイビング未経験の人が気をつけるべきことを書きます。私のやり方をそのまま真似する必要はなく、自分の状況に合わせて日数を調整してください。
使ったのは潜水士テキスト1冊
私が使ったのは、「潜水士テキスト」1冊だけです。問題集は買っていません。
やり方はシンプルで、最初に一度通して読んで全体をつかみ、そのあとは科目ごとに読み直して、覚えにくい数字と計算を繰り返しました。参考書を完璧に暗記しようとするより、「4科目で何を聞かれるのか」を先に理解するほうが早く進みます。
1日4〜5時間の2週間スケジュール
私のペースは、1日4〜5時間を2週間でした。合計で60時間前後です。
| 期間 | やったこと |
|---|---|
| 1〜2日目 | テキストを一度通して読み、試験全体をつかむ |
| 3〜7日目 | 科目ごとに読み直し、計算例を手で解く |
| 8〜11日目 | 高気圧障害と関係法令の数字を繰り返す |
| 12〜13日目 | 苦手な科目だけをもう一度 |
| 14日目 | 各科目の合格基準(40%)を超えられるか最終確認 |
大切なのは日数ではなく、科目ごとに安定して合格点を取れる状態になっているかです。
未経験者が気をつけること
ダイビング未経験の人は、2週間より長めに、3週間〜1か月を目安にしてください。私が2週間で済んだのは、潜水の基礎知識があったからです。
オープンウォーターがあっても、送気式潜水や関係法令はレジャーでは学ばない部分でした。未経験なら、テキストを理解する時間を長めに取ったほうが安心です。
潜水士免許にかかる費用

潜水士免許の取得にかかる費用は、受験料8,800円が中心です。ほかの国家資格と比べても、負担が軽い免許といえます。ただし見落としやすいのが、合格してから免許証を手にするまでにかかるお金です。ここでは、受験料、合格後にかかる費用、そのほかの実費を順にまとめます。全部あわせても、手が届かない金額にはなりません。
受験料は8,800円
2026年9月に公式サイトで確認した学科試験の手数料は、8,800円でした。免許試験は各種とも同じ金額です。
私が受けたころとは金額が違う可能性がありますが、それでも1万円を切る国家資格はそう多くありません。
合格後にかかる約2,400円
ここが一番見落とされる部分です。合格しただけでは免許証は届きません。都道府県労働局へ免許申請をして、はじめて交付されます。
そのときにかかるのが、次のお金です。
| 項目 | 目安の金額 |
|---|---|
| 免許申請の収入印紙 | 1,500円(電子申請なら1,450円) |
| 書類の送付用切手 | 約470円 |
| 免許証の送付用切手 | 約434円 |
合計でおよそ2,400円。受験料だけを見て予算を組むと、ここで足が出ます。申請書は試験会場で配られることもあるので、当日に確認しておくと手間が減ります。
そのほかにかかる実費
残りは、テキスト代・証明写真代・交通費です。
- テキストの購入費(私は1冊だけ)
- 証明写真代
- 試験会場までの交通費
私はテキスト1冊だったので、教材費は最小限でした。交通費は、住んでいる地域と試験会場の距離で大きく変わります。受験料8,800円、合格後に約2,400円、これに教材と交通費を足した額が総額の目安になります。
最新情報の確認先
受験料や試験日程は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。確認先は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会です。
この記事の数字も、すべてこの3ページで確認しています。
潜水士試験を受けられる場所

意外と見落とされがちなのが、試験をどこで受けるかです。潜水士試験は、全国どこでも毎週やっているわけではありません。決まった会場と、決まった日程があります。住んでいる場所によっては、移動と宿泊が必要になるでしょう。ここでは、受けられる場所と日程の調べ方を書きます。申し込む前に必ず確認してください。
全国7か所のセンター
試験を行っているのは、全国7か所の安全衛生技術センターです。公益財団法人 安全衛生技術試験協会が運営しています。
| センター | 所在地 |
|---|---|
| 北海道安全衛生技術センター | 北海道恵庭市 |
| 東北安全衛生技術センター | 宮城県岩沼市 |
| 関東安全衛生技術センター | 千葉県市原市 |
| 中部安全衛生技術センター | 愛知県東海市 |
| 近畿安全衛生技術センター | 兵庫県加古川市 |
| 中国四国安全衛生技術センター | 広島県福山市 |
| 九州安全衛生技術センター | 福岡県久留米市 |
関東には東京試験場、近畿には大阪試験場も置かれています。
センターが遠いときの出張試験
センターが遠い人のために、出張試験という制度があります。各地の会場で、年に1〜2回ほど行われるものです。
過去には岩手、福井、石川、鹿児島などで実施されています。ただし申込期間が数日から2週間程度と短く、提出先もセンターとは別になる場合があります。見つけたらすぐ動いたほうが確実でしょう。
会場と日程の調べ方
会場も日程も年度ごとに変わります。必ず安全衛生技術試験協会の公式サイトで最新の案内を確認してください。
センターごとに試験日が違い、出張試験の案内も各センターのページに出ます。「潜水士試験 ○○県」で検索すると古い年度の情報が出てくることがあるので、公式の案内を見るようにしてください。
合格後の免許申請の手順

意外と知られていないのが、合格しても自動では免許証が届かないことです。自分で申請して、はじめて交付されます。しかも申請を忘れたまま時間が経ってしまう人もいるそうです。ここでは、どこに何を出すのか、注意する点は何かを書きます。試験の前に流れを知っておくと、合格後に迷いません。
申請先は住所地の労働局
申請先は、自分が住んでいる都道府県の労働局です。試験を受けた場所ではありません。
健康安全主務課という部署が窓口になります。郵送で手続きできるので、わざわざ出向く必要はありません。
必要なものと収入印紙
用意するのは、合格通知書、申請書、証明写真、収入印紙1,500円分です。
申請書の裏面に収入印紙を貼って提出します。このとき、自分で消印を押さないでください。収入印紙を入れ忘れて再提出になった人もいるので、封をする前に確認しましょう。
交付は18歳以上
もうひとつ注意したいのが年齢です。試験に年齢制限はありませんが、免許証の交付は18歳以上に限られます。
高校生のうちに合格しておき、18歳になってから申請するという順番も可能です。最新の条件は、厚生労働省や労働局のページで確認してください。
免許取得後のキャリア

潜水士免許は、土木潜水士になるためのスタート地点です。取っただけで一人前になれるわけではなく、試験に実技がないぶん、潜る技術や現場の作業は就職後の訓練で身につけることになります。ここでは、免許のあとに何が必要になるのか、私の現場の例で書きます。免許を取ったあとの道が見えていると、勉強の動機も続きやすいはずです。
免許はスタート地点
免許を取ったあとに待っているのは、現場での訓練です。潜水士免許は「潜っていい」という許可であって、「潜れる」という証明ではありません。
私自身、免許を取ったときとダイビングインストラクターだったときの経験があっても、仕事の潜水は別物でした。視界の悪い水の中で作業する技術は、現場でしか身につきません。
現場で次に必要になる資格
土木潜水の現場では、潜水士免許のほかに、いくつかの資格が必要になります。
- 玉掛け
- 移動式クレーン
- 車両系建設機械
- アーク溶接・ガス溶接
- 小型船舶
- 土木施工管理技士
私の会社は浚渫工事が中心なので、移動式クレーンと車両系建設機械はほぼ必須です。まず潜水士免許を取り、就職後に一つずつ増やしていくのが現実的でしょう。
土木潜水士の仕事と年収
免許のその先、土木潜水士の仕事内容と年収は、別の記事で詳しく書いています。現役の年収、手取り、資格手当の仕組み、私が転職した理由まで公開しています。
詳しくは土木潜水士の年収はいくら?【現役が手取り公開】仕事内容も解説をご覧ください。
「この免許を取ったら、どんな生活になるのか」を知りたい人は、先にこちらを読んでみてください。
潜水士免許のよくある質問

潜水士免許について、よく聞かれる質問に答えます。未経験、泳ぎ、独学、有効期限、年齢の5つです。私の経験と公式情報にもとづく答えなので、申し込み時点の最新情報は公式サイトで確認してください。
ダイビング未経験でも受験できるか
受験できます。潜水経験やダイビング資格などの受験条件はありません。
ただし、試験は学科のみです。合格しても潜水技術が身につくわけではないので、実際の作業は就職先で訓練を受ける必要があります。
泳げなくても免許は取れるか
取れます。試験に水泳や潜水の実技はないため、学科に合格すれば免許は交付されます。
一方、実際に潜水作業をするには、水への恐怖心がないこと、器材を使って安全に行動できることが必要です。
独学でも合格できるか
できます。私自身がテキスト1冊の独学で一発合格しました。
テキストを読んだだけで終わらせず、計算例と法令の数字を繰り返すことが大切です。独学で理解しにくい部分がある場合は、通信講座を使う方法もあります。
免許に有効期限はあるか
潜水士免許に更新制度はありません。一度取れば、そのまま持ち続けられます。
ただし、住所や氏名の変更、紛失などがあった場合は、所定の手続きが必要です。
何歳から受験できるか
試験自体に年齢制限はありません。ただし、免許証の交付は18歳以上です。
試験に合格することと、免許証の交付を受けることは別の手続きなので、若い人は申請時点の条件を公式サイトで確認してください。
まとめ

- 受験資格なし、実技なしの学科試験
- 4科目40問、各科目40%以上かつ合計60%以上で合格
- 令和7年度の合格率は74.4%
- 受験料は8,800円
- 私はテキスト1冊・1日4〜5時間・2週間で一発合格
- 国家資格の中でも非常に取りやすい免許
潜水士免許は、国家資格の中でも非常に取得しやすい免許です。受験資格がなく、実技もなく、テキスト1冊で合格を目指せます。私は20歳のとき、2週間の勉強で一発合格しました。
ただし、「取りやすい」と「勉強しなくていい」は別です。計算問題と関係法令だけは、未経験の人ほど時間をかけてください。ダイビング未経験なら、3週間〜1か月を目安にすれば十分間に合います。
- 安全衛生技術試験協会のサイトで、自分の地域の試験日を確認する
- 潜水士テキストを1冊用意する
- 1日の勉強時間を決めて、2週間分の予定を書き出す
まずは1つ目だけで十分です。試験日が決まると、勉強は自然に始まります。調べた日程を、スマホのカレンダーに入れておいてください。



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